エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 だいぶ長いことそうしていた。

 やっと気持ちが少し落ち着いて、梓はそっと、和臣から離れた。

 ポケットからハンカチを取り出して、ぐっと涙を拭う。

「ごめんなさい」

 泣いて縋ったことを謝ったけれど、和臣は梓の顔を覗き込み、ふっと笑ってくれた。

「謝ることじゃない。これで不安はすべて終わりなんだから、吐き出してしまって良かったんだ」

「……ん。ありがとう」

 梓もなんとか顔を笑みにする。

 それでやっと二人は静かに話をすることができた。