エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 からら、とやはり小さな音で引き戸が開き、静かに入ってきたのは和臣だった。

「梓。……ちょっと出よう」

 梓と和に視線をやった和臣は、和が落ち着いた呼吸ですぅすぅ寝息を立てているのに安心したのだろう。

 梓に視線を戻して、そっとドアを示した。

「……うん」

 梓は音を立てて和を起こしてしまわないよう気をつけながら、椅子を立った。

 和臣が近付いてきて、支えるように肩を抱いてくれる。

 そしてそのまま二人はそっと、和の眠る部屋……病院の個室を出ていった。