その言葉で、梓はハッとした。

　トラブル。

　そして知り合い。

　さらに、この状況で和臣がなにか関係があるかもしれないと思った理由……。

　それらを合わせれば、思い浮かんだことがあった。

「トラブル？　詳しくお聞かせいただけますか？」

　おまわりさんがそれを知るわけはないのでただの質問ではあったが、その声も少しトーンが張り詰めた。

　今度は和臣が説明していく。

　関係性や現状……元カノで、別れる際に色々とあったということまでは話さなかったが、それでもトラブルになる理由はわかっただろう。

「和臣さん、まさか……」

　梓は思わず、和臣の袖をぎゅっと握っていた。

　まさか……美穂がいたというのだろうか。

　あのとき、幼稚園であそこまで言い合いをしてしまった美穂だ。

　和を目にして、まさか、まさか……。

　いや、流石にそんなこと……。