梓は一生懸命、説明した。

 和臣がその肩に手を置いて、力づけるようにしてくれる。

 その手の感触とあたたかさを感じる肩から、本当に勇気が湧いてきた。

「そうですか……まぁ、子どもの興味は予想外だったりしますけどね、この線は薄そうですか」

 おまわりさんは手帳に何事か書きつけていく。

 梓は焦れてきた。

 もう早く外に出て、探すために駆けていきたい。

 だが闇雲に走り回って見つかるものではないだろう。

 それならまず、目星をつけなければ。

 そうするのが効率的だし、現実的なのだ。

 そう思い、衝動と焦れを押さえつける。

「……関係あるかわかりませんが」

 不意に和臣が口を開いた。

 梓はすぐ振り向いたし、おまわりさんも和臣を見た。

 和臣の顔は固かった。

 ただ、その口から出てきたことは、よくわからなかった。

「駐車場に、知り合いの車があったんです」

「お知り合い? それが……?」

 おまわりさんは眉を寄せたけれど、どうしてそれが情報として出されるのかはわからないといった様子だった。

「……先日、少々トラブルがあった方のもので」