エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 だがしばらく経っても……十分以上が経っても、変化はなかったのだ。

 梓の胸はどんどん冷えていった。鼓動すら冷たくなったように感じる。

(私のせいだ)

 胸の中に、自分を責めることばかり浮かぶ。

 和になにかあったのならどうしよう。

 でも自分のせいなのだ。

 和が危険な目に遭ったら自分のせいなのだ。

「お母さん?」

 そこで違う声がした。

 顔を上げると、中年を越すくらいの女性が笑顔で立っている。

 どうやらスタッフの中でも立場のあるひとのようだ。