エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 ゲームセンターや、大きな量販店の店員がつけているそれは、どうやらほかのスタッフに届くようになっているらしい。

 その中の誰かでもいい、見かけてくれていたら、と梓は冷たくなった胸で思った。

「……すみません、見てないって返事ですね」

 しかしいい返事は返ってこなかった。

「……そうですか……」

 明らかにしょぼんとした返事をしてしまった梓。

 彼はますます眉を下げて、別のことを提案してくれる。

「店内放送をしましょうか。カウンターのほうで受け付けしますよ」

「ありがとうございます」

 そう言って促してくれるので、梓は不安がさらに強まる気持ちになってしまいながら、彼についていった。

『四歳の七瀬 和ちゃん。お母さんがお待ちです、近くの店員さんに声をかけてください』

 そのように店内に放送が流れた。