エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

「すみません、四歳くらいの女の子、見ませんでしたか?」

 思い切って、ちょうどいた店員に声をかけた。

 まだ若い男性の店員は、目を丸くして顔を上げたけれど、すぐ心配そうな表情になった。

「いえ……、はぐれてしまったんですか?」

 言われて、梓の胸がずきりと痛む。

 そうだ、はぐれたのは本当だ。

 でもはぐれさせてしまったのは自分だ。

 和のことをしっかり見ていなかったのは自分なのだから。

「ええ……。探したんですけど、見つからなくて……」

 梓が不安げに言ったことでか、店員はもっと心配そうな顔になる。

 棚の整理をしていたらしいところから、立ち上がった。

「それは心配ですね。ほかのスタッフにも聞いてみます」

「すみません、ありがとうございます」

 エプロンにつけていた電子機器をいじり、マイクに向かって話しはじめた彼。

「四歳くらいの女の子、誰か見てませんか?」と聞いている。