エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

「和? ……のどかー」

 近くの棚を回り込み、広いエリアを見た。

 だがいない。

 たった数分のことだから、そのあたりにいるだろうと思ったのに。

 活発な性格の和だから、なにか興味を惹かれるものでも見つけてしまったのかもしれない。

 それで行ってしまったとか。

 あり得る話だった。

 実際、過去に何度も起こっている。

 それだろうな、と思いつつも、あまりいい気持ちではなかった。

 小さな女の子なのだ、なにかあってからでは遅い。

 いい気持ちではないのは、自分に対してだ。

 目を離した母親が悪いに決まっている、と、梓としては思っているのだ。

 しかし……見つからない。

 数分が経ち、元居た場所からだいぶ離れても見つからなくて、梓の心はだんだん冷えていった。

 どこへ行ったのか、店内にはいないのか、まさか外へ出ていってしまったのか、それともほかの……。