からかってごめんなさい、という気持ちで、梓は腕を伸ばした。

 和臣の腕にするりと腕を絡める。くっつくようになった。

 和臣は「困ったもんだ」というような顔で笑ったけれど、そのままでいてくれた。

 腕を組んで歩いていく先は、もう駐車場だった。

 そろそろ夕方になる。

 戻って、和を実家から引き取って、そして三人で家へ帰るのだ。

 半日ほどのデートはとても楽しかった、と思う。

 そして帰ってからは、今日のお土産話をしよう。

 和が実家でしたことの話も聞こう。

 お土産の服も喜んでもらえるだろうか。

 最後に買ったバレエグッズを渡すのは、誕生日までのお楽しみだけど……。

 楽しい気持ちのまま、二人は車に乗り込んで、短いドライブをはじめた。

 帰ってから和が一番喜んだのは、三人、お揃いで買った、あのクローバーのシャツだった。

「パパとママとおそろいでおでかけ!」と満面の笑みになった和は、早々と和臣に「次のおやすみは?」と聞いていて、横で聞く梓も既に楽しみな気持ちでいっぱいになってしまった。