しかしながら、四年。

 だいぶ長い時間だ。

 でも自力で一から調べるのだったら、一朝一夕ではいかなかったこともわかる。

 自分は両親に口止めをしたし、居場所を知るほど親しい友人にも事情を話して同じようにしたし、人づてに知るには難儀したはずだ。

 それに住んでいたところ、埼玉の奥地という場所は、梓にとってそれまでなんの縁もなかった土地だ。

 まさかそんなところへ行くと思わなかっただろう。

 逃げるように消えるのなら、なにかしら、親戚や知人や、そういった知り合いがいるところや、その近くになることが多いだろうし。

 ただ、和臣はなにしろ警察官だ。

 警察は事件を捜査したりする仕事も当たり前のようにあるだろうし、それを使って調べられなかったのだろうか。

 思った梓だったが、その疑問は当然だとばかりに、先回りして言われた。

「俺は警察官でも、はじめから警護課配属前提に修行を積んだから……。捜査課とかだったら、調べ物についてももっと詳しくなっただろうが、残念ながら、俺の専門や学んだことは少し違ったということだよ」

「……そうなんだ」