「私だって……同じ、だよ」

 思い切って口に出した。

 ちょっと拗ねたような口調になってしまったが、それでも言った。

 梓のそれに、和臣は、ふっと笑った。

 さっきより、もっと幸せそうな笑み。

 手にしていたコーヒーカップをテーブルに置き、空いた手を伸ばした。

 そっと梓の肩が抱かれる。

 ちょうどケーキもなくなっていたので、梓は心のままに、和臣の肩に体を預けた。

 しっかり厚くて、あたたかな体。

 いつだって梓に安心をくれる感触だ。

「……でも、あの、ちょっと気になってたんだけど……」

 ふと、頭に浮かんだことがあった。

 今なら聞いてもいいかもしれない、と思って、思い切って口に出した。

「ん? なんだ?」

 すぐ横から聞こえる和臣の声は穏やかで、梓に少しあったためらいは小さくなっていった。

 よって続ける。

「えっと、どうして私と和の居場所とか事情とかがわかったの?」