エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

「うん。こういうところのお買い物は久しぶりだから、色々見てみたいな」

 もうすでにわくわくしてきてしまっていた梓はすぐに頷いた。

 並ぶ店は、服、雑貨、素敵なスイーツなど……普段、気軽に行けなくなったような店ばかり。

 全部に入って見てみたいくらいだ。

「あ、ここ、梓が好きなブランドだな」

 ふと通りかかった一軒の洋服屋に、和臣が目を留めた。

 梓がそうだと気付いたほうが一拍遅かったくらいだ。

「ほんとだ。って、和臣さん、覚えててくれたの?」

 目を丸くしてしまう。

 だって、一緒に暮らしてからたまに着てはいたものの、ちょっとお出掛けをするときだけ程度になってしまっていたのだ。

 洗濯だって、メインは梓でおこなっている。

 日常の洗濯はたたんだりを手伝ってくれるが、和臣がお洒落着を手にすることは滅多にない。

 だから、和臣がそれを知っていたのなら……。