エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 確かにその通りだ。

 和臣は強い。

 勿論、高校時代にエースだった剣道で(つちか)った武道もそうであるし、今は拳銃も使えるのだと言っていた。

 だがそういった物理的な強さより、もっと強いのは心の強さだ、と梓は思う。

 和が幼稚園であまり面白くない状況になっていると聞いたときも、心配こそしたけれど、うろたえたりはなかったのだ。

 それはきっと、和を自分が絶対に守る。

 その決意と自信があるからだろう。

「ああ。でもおまわりさんだからだけじゃないぞ。おまわりさんの代わりはほかにもいる。だがママと和を守れるのはパパだけだからな。パパが必ず二人を守るんだ」

 車を発進させてから、和臣は言った。

 今、その視線はしっかり運転する前方を見据えていたけれど、心の視線はきっと二人だけを見つめていた。