「パパと幼稚園行けるの、うれしー!」

 和はそういう日、とてもはしゃいで、一時期、時々渋ってしまっていた登園も、今まで通り明るく行くようになっていた。

 しかし、この様子はまるで……。

「パパは和のSPみたいだね」

 今日は梓もついていくことになっていた。

 梓のほうも、担任の先生から定期的に様子を聞いているのだ、今日はその用事である。

 車に乗り込みながら、梓が言ったことに、和臣はくすっと笑った。

「まったくだ。だが、ある意味、仕事より重大な任務だからな」

 和も会話の内容はなんとなく察したようだった。

 自分で座って定位置に収まれるようになったチャイルドシートにのぼりながら、明るい声で言う。

「にんむー! パパ、強いおまわりさんだもんね!」

 その言い方に、今度は和臣だけではなく梓もくすくす笑ってしまった。