梓は驚いてしまう。

 最近、和臣の言葉を借りるなら『曇り空』だった和の表情が変わったように見えたのだ。

「絶対だよ!」

 今度ははっきり、明るい声になっていた。

 それはきっと、言葉にするなら『安心』なのだろう。

「ああ、もちろんだよ」

 そして和臣は、和のそれに、きっぱり返事をした。

 和は本当に、心から安心を覚えたのだろう。

 和臣の胸に体を預けるのが見えた。

 ここまで和の体は、わずかであろうが強張っていたことを、梓はその仕草で理解した。

 不安が体に表れていたのだ、と思うと心が痛んだ。

「じゃあ、じゃあ、今日は一緒に寝たい!」

 和が甘えるように、背中で和臣に擦り寄る。

 言葉と要求も甘えるものだった。

 和臣も和のそれを受け止めて、さっきのように軽く揺する。