その和の頭に、和臣の手が触れた。

 大きな手が、和のやわらかな髪の頭を優しく撫でる。

「パパはそういうとき、和の心を、おひさまみたいに照らしてやりたいんだ」

 和臣が和に向かって、笑ってみせた気配がした。

 梓は洗濯物を運んでいたところから、つい立ち止まってその様子を見つめてしまった。

 和臣がパパの顔をするところ。

 自分と時折過ごす『恋人』の顔とは違う意味で、格好良くて、頼りがいがあると感じられる。

「……おひさま。明るいおひさま?」

 和は少し間があったが、そう答えた。

 その声は、和臣が『味方に付く』と言ったことで、既に少しだけでも安心できた。

 そういう響きを持っていた。

「ああ、そうだ」

 和臣が少し腕を揺すった。

 和の体が軽く揺れる。

 和はそれがおかしかったのか、くくっと笑うのが見えた。