「……うん」

 それで少しだけ気持ちが落ち着いたらしい和は、小さく頷いた。

 でもまだ不安げな様子は残っていたから、梓は腕を伸ばし、和をやわらかく抱きしめる。

「大丈夫。きっと上手くいくよ」

 そっと、梓の腰に腕が回った。

 和が抱きつき、ぽすんと顔をうずめたのだ。

「……うん」

 答えはさっきと同じであったし、この仕草自体、とても嬉しかったり、逆に不安だったりするときにするものだと知っていたから、梓の心配もなくならなかった。

 早く解決するといいけどな、と思う。

 和とそんなやりとりをした、その夜。

 少し帰りが遅くなっていた和臣が帰ってきたのは、和が寝付いてすぐのことだった。