隣に腰掛けた梓は少し考えた。

 やはり珍しいことではない。

 しかしどう解決したものか。

 幼稚園の先生はもう把握しているのか、それならそちらに相談して、解決が早くなるようにしてもらうのが一番だけど……。

「意地悪って、どういう?」

 まずはそこからだ、と思って、梓は優しい口調になるように心がけながら聞いた。

 親は絶対の味方なのだと知っていてほしい。

 責めているのではないとわかってほしい。

 そんな気持ちで、穏やかに聞く。

「遊んでるところ、取っちゃったりとか……」

 和が暗い声で話したことは、色々だった。

 ただ、子ども同士の交流としては、そう珍しいものとも思えなかった。

 よって梓が選んだのは、無難で、ただし優しい言葉だった。

「そっか、困ったね。ママが明日、先生に詳しく聞いてみるよ」