「あ、俺が抱っこするよ。梓は荷物を頼む」

「うん、ありがとう」

 家に着き、駐車場に入って、車を降りた。

 和臣は当たり前のように和のシートベルトをそっと外し、抱き上げた。

 和の体重もずいぶん増えていた。

 まだ抱っこするのに重すぎるということはないが、それでもだいぶずっしり感じることもある。

 けれど和臣は、ひょいと軽々抱えてしまった。

 ずっと上手くなった抱っこの仕方。

 和を起こさないよう、静かに家へと向かった。

 三人で暮らす家。

 今夜はもう眠るだけ。

 でも明日はまたやってくる。

 幸せな日は、これからも毎日続いていく。