エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 にこ、と笑った梓。

 中身はカステラだった。高級メーカーのものだ。

 それ以上に、百合子が好きだと聞いたものだ。

 両方から驚いただろう百合子だったが、すぐに笑みになった。

「ありがとう。大切にいただきます」

 丁寧にもぺこりと頭まで下げる百合子に、今度は和臣が一歩、踏み出した。

「大変お世話になりました。その節はご迷惑もおかけしまして」

 和臣も頭を下げる。

 すぐに隣で梓も同じようにした。

「そんなことはないわよ。和ちゃんと過ごせるのは楽しかったし、今、梓さんたちがとても幸せだとわかるもの」

 満面の笑みで言ってくれた百合子。

 こんな優しい笑顔のひとたちに助けられていたんだ、と梓の胸はとても熱くなった。