エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

「まぁまぁ! 梓さんも和ちゃんも、元気そうでなにより!」

 すぐ近くのオーナー宅を訪ねると、約束していた通り、百合子が出てきて迎えてくれた。

「ゆりこさん! こんにちはぁ」

 和が顔を輝かせて挨拶するのを、百合子はしわの多い顔をさらに緩めて、しゃがんで和を撫でてくれる。

「大きくなったこと」

「うんっ! もうすぐ五歳なの!」

 帽子を取って、やわらかな髪を撫でられながら、和は自慢げに言う。

 年が明けて、しばらくしたら和の誕生日だ。

 ひとつ大きくなるだけではない。

 その日を親子三人揃って迎えられるだろうことも、同時に嬉しいことだ。

「百合子さん、こちら、つまらないものですが……」

 梓は持ってきていた紙袋を百合子に差し出す。

 受け取った百合子は目を丸くした。

「まぁ! こんな立派なもの……それに……」

「ええ。お好きとうかがったので」