エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

「俺も色々心配をかけちゃったから、ちゃんと挨拶できそうなのは嬉しいな」

 ハンドルを操る和臣もそう言ってくれるのだった。

 確かに最初に和臣が訪ねていったときは大変な騒動になった、と思い出して、梓は苦笑してしまう。

 でもあれがあったからこそ、今、こうして三人いられるのだ。

 今まで住んでいた場所までは、都内から車で二時間ほど。

 あまり車に乗る機会が多くない和のために、二度ほど休憩を取りながらだったので、もう少し長くかかった。

 そしてたどり着いた【ゆずりは】。

 梓は車から降りて、ついカフェの建物を見上げてしまった。

 感慨深かった。

 長いこと、四年ほどお世話になったのだから当たり前だろう。