エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 あたたかかった。

 火がついたほどに熱かった体から、ゆっくり熱が引いていって、あたたかさだけが、心地良く残った。

「……そろそろ、行こうか」

 どのくらい経ったか、やはり長い時間ではなかっただろうが、これだって関係なかった。

 恋人同士の時間に、どのくらい時間があったかということより、大切なことがある。

 もうよく知っている。

「うん。起こしちゃってないといいね」

 それでも離れるのはちょっとだけ寂しいし、名残惜しい。

 梓はそう言いながら、肘をついて上半身を起こした。

 和臣も同じようにする。

「大丈夫さ。良い子だもんな」

「そうだね」

 そう言い合って、くす、と笑ってしまう。

 それぞれ名実共にパパとママになって、籍を入れて夫婦になって。

 そのうえで、恋人としてもいられるのが幸せだと思う。

 今夜、この時間を過ごしている間、何度も頭に浮かんだことなのに、終わることなく梓の体も気持ちもたっぷり満たしてくれていた。