エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 歳を重ねたぶんだけ。

 人生を色々経験してきただけ。

 そういう表現で『綺麗だ』と言ってくれる和臣は、どんなに優しいひとだろう。

 それにその言葉は心からのものだと知っている。

 和臣はそういうひとだから。

 いい部分を見い出して、その言葉でもっと素敵なものに変えてしまう。

 きっとこのひとと出会えたから、そして今、こうして再び一緒にいられるようになったから、きっと……。

「……ありがとう。和臣さんがいてくれるから、きっと……そういられるんだよ」

 そう思ったことは、するっと言葉になってくれた。

 素直に伝えたいと思った気持ちは、ちゃんと和臣に伝わってくれたらしい。

 間近で見える和臣の表情が、ふわりと幸せそうなものになったから、梓にもすぐわかってしまう。

「そうか。俺こそ、ありがとう」