エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 その梓の手、薬指に指輪の嵌まった手を、和臣がしっかり握る。

 その手には、梓に贈られたのと同じデザインの指輪が嵌められていた。

「三人でずっと一緒にいる、約束だ」

「うん……!」

 二人のその手に、和も手を重ねてくる。

「わたしもー!」

 親子三人の絆が形になったようで、梓は笑顔になった。

 涙混じりの笑顔だったが、きっとなにより美しかっただろう。

「ちょうどこの庭にも咲いてるんだよ」

 話も気持ちも落ち着いて、お茶をオーダーした。

 運ばれてきたそれを飲みながら、和臣が庭園を指差す。

 白やピンクの大ぶりの花。

 あれは……。

「ダリア……?」

 言われて初めて気が付いた。

 あのチャームの花。

 自分はあまり意識せずに選んでしまったけれど、名前がつくなら『ダリア』である。

「ああ。同じだなと思ってここにしたんだ」