エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

「数年経って、引っかけたときに壊しちゃったんだ。俺には直せなくて……でも、梓の気持ちが嬉しかったから取っておいたんだよ」

 和の手に嵌まったビーズのブレスレット。

 その装飾のひとつになった花のチャーム。

 泣きたいほどにぴったりではないか。

 梓の目の前がぼやけてしまう。

「ちょうどいいと思って、オーダーメイドの店で頼むときに入れてもらったんだ」

 それがすべての答えだった。

 梓の目から、ついにぽろっとひとつぶ涙がこぼれた。

「……っ、ありがとう……」

 自分が和臣に贈ったもの。

 和臣の手に渡って、次は和のところへやってきた。

 三人を繋ぐのにあまりに相応しい。

 幸せの涙が、梓の頬を濡らした。