エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

「それに、見覚えがないかい」

 ちょっと悪戯っぽい顔になった和臣。

 その指が示すところに視線をやって、梓は大きく目を見開くことになった。

 ブレスレットの装飾になっている、ひとつ。

 花モチーフのチャームであったが、それには本当に見覚えがあったのだから。

「これ……私が……?」

 言われて、目にすればすぐにわかった。

 あのとき自分が作ったものではないか。

「ああ。綺麗だから取っておいたんだけど、ちょうどいいと思ったんだ」

 和臣は、和の手首をそっと持ち上げて、優しい目でそれを見つめる。

 そこにあのときの想い出がある、というように。

 あのとき……和臣の卒業式のとき、交わした会話がよみがえってくる。