エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 梓の胸が熱く、熱くなる。

 あんな些細なこと。

 自分でもすぐに思い出せなかったほど小さなことなのに。

 覚えてくれていただけではなく、こうして実現させてくれた。

 嬉しいという言葉でも足りないくらいだ。

「……嬉しいです」

 お礼を言った梓の言葉で、梓の気持ちや思い出したこともわかってくれたのだろう。

 和臣も微笑になり、梓の手をもっとしっかりと握ってくれた。

 そのように展望台を楽しんでいるうちに、日も暮れてきたようだ。

 空がうっすらオレンジ色になっていく。

 あんまりゆっくりはできなくて惜しい気持ちと、それが申し訳ないと思う気持ちと。

 それでも連れてきてくれた嬉しさと。

 感じつつ外を眺めていたところに、ふと和臣が言った。

「梓、今日は本当にありがとう」

 梓は外から視線を外して、和臣を見た。

「いいえ、私こそです」

 また微笑になったのを自覚する。

 その梓に、和臣がひとつ提案した。

「もう夫婦になるんだ。敬語はやめないか?」