エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 手を持ち上げ、目元に触れる。

 涙を拭おうとするけれど、次から次へと零れてきて、手を濡らすばかりだった。

 でもこれもやはり、幸せの涙。

(ああ、ここへ辿り着くのが正しかったんだ)

 梓は今、やっとそれを知って、実感した。

 気持ちだけではない。

 現実として一緒にいられるのだ。

 想い合う気持ちをひとつにして、夫婦になれるのだ。

「梓」

 不意に和臣が手を伸ばしてきた。

 涙を拭おうとして、濡れてしまった梓の手に触れて、そっと引き寄せて自分の手で包み込んでくれる。

 大きな手だった。

 そしてあたたかかった。

 優しい体温と感触が伝わってくる。

「必ず幸せにする。梓も、……和も」

 梓は涙の目を、もう一度見開くことになった。

 和臣が和を名前で呼んだのは初めてだった。