エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

「まず、美穂の言ったことは、独りよがりでしかないことだ。確かに美穂の父親は警視総監だ。当時の俺の上司に当たる存在だな」

「……はい」

 その点は嘘をついているなど疑ってはいなかったので、梓はただ肯定した。

 でも本当ならば、やはり和臣の枷になる可能性はあったのでは……。

 頭に浮かんだが、口を挟んでいいところではないので、やめておいた。

「だが、警視総監が権力を振りかざして娘の我儘を聞いたりすることはなかっただろう。確かに娘を大切にしているのは知っていたが、それはそれ、これはこれだ」

 和臣の話す内容も口調も、きっぱりしていた。

 声も重く、胸の奥から出てくるほど深い声音だ。

「それも俺たちは警察なのに。正義に殉ずる者なのに。そんなことは恥でしかない」

 言い切った和臣。

 そんな場合ではないが、梓の胸は、かっと熱くなった。

 その通りだ。

 和臣は当時からきっと正義を信じていただろうし、今も同じに決まっている。

 我儘などという醜いものを切って捨てるような言葉は、梓の心を強く打った。

 素晴らしいひとだと思う。

 人物や性格だけではない。

 仕事に対しても真摯……いや。

 それと同時に『正しいこと』に対してとても誠実なのだ。