エリートSPはようやく見つけたママと娘をとろ甘溺愛で離さない

 和臣は優しい。

 そう知っている。

 よく知っている。

 そういうところを好きになった。

 でもきっと、こういうふうに捉えて、非があるなんて言ってくれる男性は、残念ながら少ないだろう。

(本当に、とても優しいひと)

 梓は今更過ぎるが、噛み締めてしまった。

 少し沈黙が落ちた。

 数秒ののち、和臣がそれを破る。

「ずっと謎だったんだ。梓が突然いなくなってしまって、はじめは俺がなにか悪いことをしてしまったのかと思った」

「……すみません」

 梓はまたうつむくことになってしまった。

 小さな声で謝った。

 その通りだろう。

 和臣にとっては、一番に頭に浮かんだのはその類であって自然だ。

「いや、そうじゃなくて。まずその話からしたほうがいいか」

 慌てた様子で、また否定された。

 しかし次に言われたことは、梓の心を、きゅっと冷やした。

 こういう話だってすると想定してきたのに。

 直面してしまえば、どうしても臆してしまう。

 でも逃げない。

 逃げたら、ここに来た意味がなくなる。

 よって梓はお腹の下に力を込めた。

 そろっと顔を上げて、和臣を見る。

 正面から、真っ直ぐ見る形になった。