蓮「……ありがと、でも貸してたゲーム…返してくれるだけだと思うから。莉央ちゃんは先にお弁当食べて待ってて?」


 ポンッと、莉央の頭をさりげなく撫でる蓮。その行動一つで莉央の思考回路なんてものは停止するわけで。


蓮「いい子で待っててね、莉央ちゃん」


 っと言い残し、ヤンキー相良に連れ去られていく蓮。そんな彼を見送りながら莉央は赤くなっているであろう頬を隠すように、手で顔を覆う


莉央『うぅ…ズルいよ、蓮くん』


 莉央が一人悶えていると、一部始終見ていたと思われる友人が声を掛けてきた



友人「莉央、なんであの根暗と未だに続いてるのか知らないけど。あれ、ほっといていいの?相良くん、速水に"ヤバいこと"させてるって最近噂になってるよ」



莉央(─ヤバいこと?)
『っえ…なにそれ!ヤバいことって、なに?!』

友人「し、知らないけどっ!止めた方がよくないっ?!速水って自分では絶対断ったりできないタイプでしょっ!莉央が助けてあげないと!」



 確かにそうだ、っと思った時には既に莉央の足は動いていた。ヤンキーのたまり場なんて、だいたい察しがつく…っと訪れた体育館の裏。人気の少ないその場所で、、



莉央『……蓮くんっ、』



 莉央は蓮を取り囲む、不良たちの姿を見つけた



○体育館裏:不良たちのたまり場



蓮「っ、莉央ちゃん」



 莉央の声にいち早く反応した蓮が立ち上がった。しかし蓮の顔を見て莉央の心臓は締め付けられる。



莉央(─…眼鏡、掛けてない)


 蓮の隣に座っているヤンキーの一人が彼の眼鏡を持っていることに気付き、莉央はそっと蓮の隣のヤンキーに近づき、彼の眼鏡を奪い取った



莉央『私の蓮くんに、意地悪しないでっ』

 グッとヤンキーたちを睨みつけて、威嚇してみせた莉央。しかしその直後、背後に回ってきた蓮の手によって優しく"目隠し"をされる。


蓮「莉央ちゃん、俺…大丈夫だからさ。そんな可愛い目、他のやつに向けるのやめて?」