蓮「学校では正体バレないように隠しててさ…俺があの学校に通ってるってバレたら色んなチームの奴ら、学校に押しかけて来そうだし」

莉央「色んなチームのヤツら?」

蓮「だからワザと。ダサくして…速水 蓮って名前だけ同じでも全然別人なんだって周囲に思わせるために根暗男子のフリしてんの…っあぁ、ちなみに相良は俺のチームの人間だから。学校の外では俺に逆らったりデキないひよっこだよ、アイツ」


莉央「どーいう、こと?」


蓮「だからつまりー・・・俺に逆らえる人間なんて、そうそう居ないってこと。」



 そうは言われても、直ぐには理解できない莉央。不安はどんどん膨らんでいくばかりで



莉央『れ、蓮くんっ…ごめん。全然分かんないよ…その、ホントに蓮くんが暴走族の総長さんだとして、今みたいにキラキラした男の子だとしたらっ…なんで私なんかと付き合ってるの?』


蓮「"私なんか"って言うの…やめて?」



 前に莉央が蓮に言ったことを逆に蓮に言われてしまった莉央。


蓮「何も無い、地味で根暗でブッサイクな俺…そんな俺と友達になりたいって言った莉央が、可愛くて…仕方なかった」



蓮「クラスでも人気者の莉央の周りにはいつも色んなやつが居てさ。ずっと見てた、お前のこと。可愛くて…目の保養だった。」


莉央「ほ、ほんきで言ってる?!」


蓮「でも、関わるつもりなんてなかった。正体隠してさ、すげー訳ありな俺なんかが莉央に絡むなんて、絶対にダメだって思ってた」


莉央「なに、それ─・・・そんなことっ、」

蓮「でもお前が友達になりたい、なんて言うから…もう止められなかった。ダメだって分かってても、手に入れたくて仕方なかった」

莉央『蓮くんっ、』

蓮「だから付き合ってからもダサい男のフリを続けた。莉央に嫌われたくなくて、地味で根暗なオタク男子のフリを…続けた。」




 思えばいくつも、ヒントは転がっていた