○放課後:学校からの帰り道


ヤンキー「──速水 蓮の(ヨメ)って、お前?」


突然金髪のヤンキーに話しかけられた莉央。基本、学校の帰りは蓮と一緒に帰っていたが今日は蓮が欠席だった。



莉央『れ、蓮くんのこと知ってるんですか?』


 こんな金髪ドヤンキーが、蓮の名前をフルネームで知っているなんて怪しさしかない…と思い恐る恐る問いかけた莉央。



ヤンキー「は?知ってるって─・・・そりゃ、知ってるでしょっ"速水 蓮"ほど有名な男…他に居る?」


莉央(──有名?蓮くんが?)
『……確かに、彼は少し地味で根暗な容姿ではありますけどっ…それを他の学校の人達にまでどうこう言われるような人じゃないです!』

ヤンキー「地味で根暗…?いや、誰の話してんの?俺が話してるのは"暴走族の総長"やってる速水 蓮の話だけど?」


莉央(──暴走族の、総長?)


 同姓同名だとしても…そんな天と地がひっくり返ったような違う人種の人が存在するとは。と人違いをされていると思った莉央は


莉央『あぁー・・・すみません。人違いしてたみたいで!私の彼氏の蓮くんとは違う人みたいです。すみません、勘違いしてしまいました』


 深々と頭を下げて、金髪ヤンキーに謝罪をする。人違い…それで終わる話だと思った。