明日翔くんの求愛行動は間違っている



 怖い。

 声が出ない。

 逃げ出す勇気もない。

 どうしよう……



 人間は極度の恐怖に襲われると

 固まることしか

 できないのかもしれない。



 私の首元がスース―する。


 気づけば私のシャツは

 第二ボタンまで開けられている。

 

 今度は

 明日翔くんがブレザーを脱いだ。


 勢いよく投げられたブレザーは

 ソファの上にバサり。


 そして自分の首元に手を当てると

 結んであった黄色いネクタイを
 
 強引にほどいていく。



 ここ、理事長室だよ。


 いかがわしい現場を

 理事長に見られたら

 私、退学になっちゃうかも。


 それはダメダメ!

 絶対に回避しなきゃ!