明日翔くんの求愛行動は間違っている




 私は椅子から立ち上がった。


 お弁当箱と台本が入ったカバンを

 肩にかけ、椅子を机の下にしまう。


 そんな私に、すぐ隣から

 成瀬くんのハテナ声が飛んできた。


「ねぇ、雛形さん。
 なんで夏目さんと一緒に
 お弁当を食べないの?」


 あっ、それはね。

「沙織ちゃん、お昼休みは
 バレーボールをしに行っちゃうんだ」


 やる気みなぎる後輩にお願いされて

 バレーボールの指導をしてるんだよ。


 責任感があって、優しい先輩だよね。


「夏目さんって3年で引退するまでは
 バレーボール部の
 エースだったんでしょ?」


「全国大会でも、大活躍だったんだから」


「全校集会で
 何度も表彰されていたよね?」


「そうなの! 
 沙織ちゃんはすごい人なの!

 頑張り屋さんで
 可愛くて、責任感があって。

 私の髪型も、いつも沙織ちゃんが
 可愛くしてくれるんだよ」


「知ってるよ。
 毎朝、隣の席で見てるから」