明日翔くんの求愛行動は間違っている



「高3のこの時期に珍しいが
 今日は転校生を紹介する。
 さぁ、入ってきなさい」


 先生のかすれ声の後

 ドアから、すらりと伸びた足が見えた。


 凛とした表情で、教室に入ってきた男の子。

 身長は170センチほどで、細身。



 ボタン止めをしていないジャケットの下。


 シャツが前側だけインされていて

 ドクロ顔のイカツいベルトが、チラ見えに。



 首元は寒くないのかな?


 シャツの第三ボタンまで開いていて

 ワイルドの鎖骨は見たい放題。



 首に垂れるネクタイは

 一番星のような鮮やかなイエローで

 ゆるゆるっと結んである。



 教室を通り抜ける風が

 彼の金色の髪をいたずらっぽく揺らし


 私は一番後ろの席に座ったまま

 驚きで瞬きすらできない。


 急停止した思考の

 復活ボタンを押してくれたのは

 クラスの女子達の泣き叫ぶ声だった。