明日翔くんの求愛行動は間違っている


 私の告白は、そばにいる人にしか

 聞こえなかったと思う。


 それなのに……


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」


 講堂に響き渡った、悲鳴の大合唱。



 天井ライトが揺れるほどの熱量に

 なぜみんなは絶叫しているんだろう?

 私の頭の中にハテナがぽつぽつ。



 でも

 その答えにたどりつくには

 時間はかからなかった。



 なぜなら


 私の全身の五感が

 彼の甘いぬくもりを

 感じ取っているから。




「こんないい女、俺は死ぬまで
 絶対に手放さないからな!」



 私の耳に吹きかけられた

 凛とした低音ボイス。



「何度、生まれ変わっても
 俺はオマエを見つけだし
 恋心を奪いに行くからな!」



 明日翔くんの腕に力が入り

 私の頬はさらに

 彼の胸元に押し付けられる。




 さっきから感じている

 この温もりって……




 ひゃぁぁぁぁ!




 大人気アイドルに……


 だだだ…抱きしめられているよ!!