明日翔くんの求愛行動は間違っている


 手鏡を置き、私は視線を教室に戻す。


 男子たちが、私を見てコソコソ話をしている。


 可愛い髪型が、私に似合ってない。

 そう語っているんだろうなぁ。


「クラスの男子が
 ジロジロ見てくるじゃん。
 花湖が可愛い証拠だよ」


「そんなことないよ」


「こんなに男子の注目を浴びる
 髪型なんだもん。

 明日翔くんだって
 好きだと思うな。絶対に」


 自信満々に言い切る沙織ちゃんの腕を

 私は軽めにバンバン叩いてみた。


「意味がわかんないよ」と

 ほっぺを膨らましながら。



「今度この髪型で
 ヴァンピのライブに行ったらいいよ。

 未来の大人気美容師の私が
 特別に編んであげるから!」


 だからもう

 明日翔くんの話はしないでってば!