沙織ちゃんは思い出したように
唇を尖らせると
「文字が見える位置にくるように
ネクタイをまくのは難しかったって
今度、明日翔くんに
文句を言ってやるんだから」
と、眉を吊り上げた。
「ちょっと…沙織ちゃん…
このメッセージって……」
「恋に不器用すぎるアイドルから
花湖への、ラブレターですよ~」
えぇぇぇぇ?
それって……
明日翔くんからの、愛の告白ってこと?
しかも相手は……私?
「そそ…そんなはずはないよ!」
こんなメッセージ
本心とは思えないし……
「花湖、なに?
真っ黒な髪の私が
羨んじゃうくらい綺麗な
カフェオレ色のユルフワ髪を
左右にバサバサ揺らしちゃって」
「私は8年前から…
明日翔くんのことが大好きだけど……
明日翔くんは私じゃなくて……
別の人のことが好きで……」
もう間接的に
私は失恋をしていてですね……



