明日翔くんの求愛行動は間違っている



 私はうつむきながら

 三つ編みの髪を指でこする。



 ――私は、明日翔くんファンをやめた。

   だから、絶対に行っちゃダメだ!



 欲望を捨てきる覚悟ができた私は

 沙織ちゃんに笑顔を向けた。


「沙織ちゃん、早く行こう」



「ヴァンピライブに?」



「違うよ。

 沙織ちゃんが言ったんでしょ?
 私に付き合ってって。

 掃除のお手伝いをすればいい? 
 それともお買い物とか?」



「花湖、ちょっと髪をいじらせてね」



「えっ? いきなりどうしたの?」

 私の三つ編みを、ほどきだしたけど。



 いつもお風呂に入るまでは

 アレンジした髪型を崩しちゃだめだよって

 私に言う沙織ちゃんなのに……変なの。



 付き合ってっていうのは

 ヘアアレンジの練習台になってって

 ことだったのかな?



 それなら大歓迎だよ。


 大好きな沙織ちゃんの夢を

 協力したいしね。