明日翔くんの求愛行動は間違っている




 まだ10歳の俺。


 誰かを愛おしいと思う感情が

 コントロールできなくて困る。



 指だけじゃ満足できない。

 
 俺の唇を、花湖に押し当てたい。


 
 花湖の両頬に手を押し当てたまま

 俺は花湖の唇に

 少しずつ自分の顔を近づけていく。




 もう少し……

 あとちょっと……



 キスの味を五感で堪能したくて
 
 俺はゆっくりと瞳を閉じた。



 キスまでの距離……


 あと、たった数ミリ……



 
 花湖の吐息が俺の鼻にかかる。



 俺の心が、幸福の沼にストンと落ちた。



 まだ唇に触れていないもどかしさが

 快楽に変わっていく。




 花湖の唇を奪いたい。


 一刻も早く。


 今すぐに……