その後も、花湖の家の屋上で
たわいもない話をした。
花湖は顔も言動も、年齢より幼い。
泣き虫なのにケラケラ笑ったり
真ん丸な目をぱちくりさせたかと思うと
ムッと唇を突き出したり。
表情がほんと、クルっクル変わる。
でも家族の話になると
我慢を隠すように大人びた表情を
するときもあって……
――どの表情も、可愛すぎなんだよな
俺は脳内に、花湖の表情全てを
スクショしておきたいほど。
屋上のドアノブが回る音がして
とっさに物陰に隠れた俺。
『花湖、そろそろ寝る時間でしょ?
部屋に戻りなさいよ』
ドアから顔を出したのは
花湖のお母さんで
わかったと返事をした娘を見届け
満足げな表情。
『聞き分けのいい子で助かるわ』と
家の中に入っていった。



