明日翔くんの求愛行動は間違っている



 気まぐれに伸ばした、俺の右手。


 その真下には、花湖の頭がある。



 綺麗に波打つ、カフェオレ色の髪。



 触れてみたいな。



 湧き出てきた願望を抑え込もうと

 戦ってみたけれど……すぐに敗北。



 俺は欲求にあらがえず

 花湖の髪を、乱暴にかき乱した。



 本当は優しく撫でたかったよ。



 でも恋愛天邪鬼な俺には、これが限界。




『私の髪の毛 
 ボサボサになっちゃったんですけど』


 と、嘆き

 手ぐしで髪を整えた花湖は
 


『わかった。

 親に従う人生は、サヨナラするね。

 ちゃんと自分の気持ちを
 お父さんたちに伝えて

 役者になって、ステージに立って

 お芝居を見に来てくれた
 たくさんの人たちを幸せにするの』


 希望にあふれた瞳を揺らしながら

 俺に微笑んでくれた。



 ほんと、笑顔が可愛い奴。


 あぁ~~もう

 花湖が宇宙人なら良かったのに。