明日翔くんの求愛行動は間違っている




 花湖の無邪気な笑い声に

 包まれた俺。


 俺が他人から笑われているのに

 悪い気はしない。


 むしろ

 花湖がどんどん俺に

 心を開いてくれていくのがわかって

 心地いい快感に浮かれていたほど。




『話を戻すけどね……』



 戻すのかよ?


 もっとくだらないジョークを

 飛ばし合いたかっただけに

 残念さは残るが……まぁいっか。



 笑顔が消えた花湖の

 真剣な表情も

 目に焼き付けておきたいしな。



『将来役者になるなんて
 私には無理なんだよ』



『なんで?』



『お父さんとお母さんが
 絶対に許してくれないから。

 着る服や遊ぶ友達まで
 勝手に決めちゃう親だよ』