明日翔くんの求愛行動は間違っている



 いつの間にか、涙が止まっていた花湖。


 俺たちは柵にもたれかかりながら

 たわいもないことをくっちゃべった。




『花湖はさ、夢とかないわけ?』



『夢?』



『一つくらいあるだろ?』



『ある……どけ……』



『言ってみて』



『えっ? 声に出して言うの?
 恥ずかしい……』



『言・え・!』



『うっ……。

 命令されちゃうと
 言うしかなくなっちゃうよ。

 わっ、私なんかが…
 無理だとは思うけどね……』



『続けろ』



『私ね……』



『あぁ』



『なれるはずないって
 自分が一番よくわかっているんだけどね』



『前置き長すぎ!

 で? 
 花湖は将来、何になりたいわけ?』



『役者に……なりたいんだ……』