明日翔くんの求愛行動は間違っている


 毎朝、沙織ちゃんは

 教室に来るなり、私の髪を編んでくれる。


 不器用な私。

 ヘアアレンジなんてもってのほか。


 腰まであるユルフワ髪は

 いつも縛りもせずに学校へ。


 だから沙織ちゃんに、髪を

 可愛く結ってもらうのが嬉しいんだ。


 笑い声が飛び交う親友トークも、楽しすぎ。



「花湖の髪ってさ
 パーマかけてないんだよね?」


 私の横髪を三つ編みする

 沙織ちゃんから、質問が飛んできた。


「お母さんも私と同じで
 ワカメみたいにカールしてるよ」


「ククク…ワカメって……
 例えベタにもほどがある」


 沙織ちゃんは手に持った三つ編みが

 揺れるほど、アハハと爆笑している。