明日翔くんの求愛行動は間違っている



 
 顔の表情筋を

 動かす気力もでない私。


 ソファから立ち上がり

 無表情のまま

 太ももに巻かれたネクタイをほどく。


「これ、返すね」


「俺のネクタイ?
 なんでほどくわけ?

 俺、言ったよね。
 学校ではつけていろって」


 ごめんね、明日翔くん。

 その約束は、もう守れないよ。


 私は無理やり握らせるように

 明日翔くんの手に、ネクタイを押し付ける。



「何、俺に怒ってるわけ?」


「……」


「急に何? 
 俺が何かした?

 言いたいことがあるなら
 言葉にしろよ」


「……」


「あっ、そういうことか。
 嫉妬したんだろ?

 俺がリアナとのツーショット写真を
 待ち受けにしてるから。

 花湖が俺に可愛くお願いするなら
 俺とのツーショット写真
 今から撮ってやってもいいけど」