明日翔くんの求愛行動は間違っている



 明日翔くんが

 私を抱きしめる腕を緩めた。


 名残惜しいな。


 そう思いながらも、私は体を放す。



 明日翔くんはソファに座ったまま

 体を表面に向ける。



 天井を見つめたと思ったら

 顔全部が隠れるように両手をあて

「あ~」とか「う~」とか。


 ブンブンと顔まで振っているし……


 急にどうしたの?


 どこかが痛い?


 保健室に連れて行った方が、良いかも……




「明日翔くん、大丈夫?」


 心配で、明日翔くんの顔を

 まじまじ見つめてしまった私。



 そんな私を突き放すように

 手のひらを突き出してきた彼。



「俺のことは放っておいて。

 荒波みたいに暴れまくる心臓が
 落ち着くまで」


 と、反対の手で

 リンゴみたいに赤く染まる頬を

 隠している。