どうするのかと成り行きを見守っていると、先生達がほうきを持って追い出そうとしていた。


カラスは目の前に振り下ろされるほうきに動じることなくうろちょろと歩いている。



「カラスの扱いはひなの方がうまいね」


「茶化さないでよ」


「あの子全然逃げないわね」


「人慣れしてるのかも」



カラスと先生の攻防戦を見守ること数分。
先生達は全く逃げる様子のないカラスにしびれを切らしたらしい。


持っていたほうきでカラスの頭や体を叩き始めた。


一部の生徒がもっとやれ、とはやし立てている。


もはや集会どころの騒ぎじゃない。



「やりすぎじゃない……?」



私がぽつりと漏らすと、周りの生徒からも同じような声が上がる。


カラスは叩かれる度にカァー、と悲しそうに鳴いている。


幼い頃からずっと見てきたカラス達。


たしかに他の人から見たカラスの印象は悪いのは知ってるけど、あの子は何もしてないじゃない……!


気が付けば私の体は動いていた。



「ひな!?」